[4.2 修理] ハブ修理


べアリング故障の診断

デュラエースグリース  ホイールを回してフレームに耳を付けて音を聞くと、スムーズな音がすれば正常で、何かゴロゴロするような引っかかった音が聞こえる場合は何か異常が発生している可能性があります。鉄道でも叩いてチェックする光景があるように日頃から動作音をチェックしておくことも重要です。実際にはハブをバラさないと部品レベルでの特定は出来ませんから、特に、急いでいない場合には分解メンテナンスをして特定することになります。単に、グリスが減ったり、汚れただけの場合もありますので、デュラエースグリースだけは常備しておきましょう。

キズのあるベアリング(写真の右側)キズのあるベアリング押し(左)
キズのあるベアリングキズのあるベアリング押し


べアリング鋼球とベアリング押しの交換

 シマノ製品であれば製品の部品単位で購入することができます。但し、お店によって取り扱いが違うのでお店に確認するが必要があります。まず、部品を発注しなければならないのですが、製品の展開図を見ながら、該当する部品を購入するのが確実だと思います。
 ベアリングが故障しているとベアリング内に金属片や小石の異物が入り込んだりして傷が出来ることが考えられます。そこで、チェックはべリング鋼球、ベアリング押し、ベアリング受けの3箇所をチェックしてください。ベアリング受けに傷があるとハブ本体を交換しなければなりません。それ以外は部品交換でスムーズな回転を取り戻せます。
 ベアリング鋼球は左右1対として購入できますから同時に交換することを推奨します。また、ベアリング押しはロックナットと一体となっている場合もあり、古いモデルは入手が難しい場合もあります。

ロックナットの外し方

ロックナット  リアハブでは板スパナー(15)またはフロンントハブでは板板スパナー(17)を用意します。メーカーによってロックナットサイズが異なりますから確認してください。リアハブの場合は、ハブの左側(リアハブではフリーホイールの付いていない反対側)から外します。内側のナットは板スパナーで回らないようにして、外側のナットはモンキースパナーを使用します。その方が力が入れやすいでしょうから外側のナットを反時計回りに力一杯回すと緩みます。後は、手で廻りますので、べアリングが落ちないように取り外します。

 分解ノウハウとして作業中に車軸を抜かないようにしておくとベアリングが落ちませんので、作業が楽です。






ベアリングのグリス補充

 部品に異常がなく交換をしなければ、汚れたグリスやゴミを取除いて新しいグリスをベアリング受けに補充し、ベアリング鋼球の数が正しいか左右を確認してからベアリング押しを締めます。さらに。ロックナットを締めてロックして完了です。

きれいにグリスを取除く新しいグリスを補充する
きれいにグリスを取除く新しいグリスを補充する



ロックナットの締め方

 内側のナットはベアリングの締め具合を調整します。感覚的ですが全く抵抗感がない状態(これではガタが生じる)でなく、少しコリコリした感じの状態(ベアリングが回っている)ようにします。ゴリゴリした感じは締め過ぎでスムーズに回らなくなります。適切な状態になったら、板スパナーでそのまま状態から回らないようにして外側のナットを時計回りに力一杯締める。最後に、もう一度、軸の回転の感触を確認してスムーズでガタもなければ完成ですが、少し状態が変わったら何度かやり直してベストな状態にします。


フリーホイールの交換

フリーホイールの外し方

 フリーホイールを外すためには、ハブ単体では難しくハブがリムに装着された状態で行うと簡単に出来ます。そのため、ハブ単体の場合はリムに仮組み(スポーク5本程度)して行うとできます。リムを足で固定して、フリーホイールの中に10mm六角レンチを差し込んで半時計方向に力一杯体重をかけると緩みます。後は手でまわして取れます。
フリーホイールを外す

フリーホイールの交換

 外したフリーホイールの部品で、フリーホイール本体は分解せずそのまま交換するします。交換する部品も含め軽くグリスを塗ります。フリーホイール自体に軸に対してガタがあるようでしたら交換する方がいいでしょう。
フリーホイールの部品

フリーホイールの締め方

 フリーホイールの取り付けは、外した時の逆の手順なので簡単です。リムを足で固定して、フリーホイールの中に10mm六角レンチを差し込んで、最初は手でまわして差し込みます。最後に時計方向へ力一杯体重をかけて締めます。

作成日時:2010年06月29日12時00分
更新日時:2010年10月26日20時34分


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